ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

バッテリー上がる!(後編)

充電しないのは?

前回ギブアップしたことで、助っ人T氏に来てもらうことにした。T氏は現役時代には某航空会社で活躍していたメカニックで特に電気系に強いうえ、自身の所有艇で同型のヤンマーSV-5型エンジンを整備していた頼りになる助っ人だ。

T氏によると充電しない原因としては、一つはレギュレータの故障、もう一つはオルタネーターの故障(特に内部のダイオードが飛んでしまうとか)の二つが特に考えられるそうだ。そこで、テスターで配線のあちこちの導通を確認した上でエンジンを始動し、オルターネーターからの出力を確認の結果、オルタネーターが発電していないことが明らかになった。

そこで、T氏がかつて自身の艇で使用しようとストックしていた、中古品のオルターネータをリユースする事にした。

リユースする場合、発電能力もあるが、まず取り付けが合うかを確認する必要がある。合わないとブラケットを作り直す事になってしまう。その次に重要なのがベルトラインが合うかを確かめる。ベルトラインが合わないとベルトが掛からないのは勿論、ズレていると運転中にベルトが外れたり裏返ったりして危険だからだ。

オルターネータブラケット。取り付けピッチは新しいオルターネータも幸い一致した。

今回のリユース品はブラケットの取り付けが上側2ヶ所、こちらがベルトを張る時の支点になる。下側の1ヶ所はベルトを張る時のテンショナーステー固定用だ。

幸い上側2ヶ所のブラケット取り付けピッチは合ったのだがボルトサイズが合わなかった。ブラケットのネジはM8に対して、オルターネータはM10用の穴径なので、これは市販のカラーをオルターネータ側に入れて調整することで問題解決した。

M10孔をM8孔にする為のカラーを挿入。ホームセンターで売っている。

 

下側の取り付けは出しろ方向(オルターネータ軸方向)が合わず焦ったが、幸い丁度オルターネータ側の取付ボス厚さ分ズレている事が判明。

オリジナルでは取付ボスの裏側に固定していたステーを手前側に持ってくる事で何とかなりそうだが、ブラケットとステーの間に隙間ができるのでスペーサーが必要になった。

ワッシャーやらボルトやら挟んでみたが暫定以上のレベルにならず困ったが、ヤフオクでスペーサが結構色々出ているのを発見。これを落札して使用する事にした。それに伴いボルトもl=35mmに変更日している。

全切削のSUSカラー。ヤフオク(ネジの永井)で購入。

オルターネータ下側。アジャストバーの取付にはスペーサを噛ませた。

肝心のベルトラインは、幸運にもピッタリ合っている。しかし、オルターネータの体格が大きくなった事に伴い、ベルトの張り代がギリギリ(手持ちのベルト長さ、ステーの調整しろ、エンジンルームの壁とオルターネータの隙と全て)なので、ベルトが伸びて来たら早めに交換せねばならない。

元々使っていたベルトを組むと、ほぼフルアジャスト状態。

で、早速オルターネータを仮固定して発電を確認したが、発電しない??

改めてサービスマニュアルの配線図と比較すると、行き先不明のハーネスが何本かある様だ。特にバッテリーの横を横切ってチャートテーブル横のコントロールパネルへ行っている黒いハーネスは良く判らないが、いずれこれをを開けて確認する必要があるかもしれない。それはさておき、発電しなくなったのと共に、イグニッションキーの付いているインスツルメントパネルに有るチャージランプも消灯している事が判明。T氏に教えてもらったのだが、オルターネータが発電するのは、バッテリー電圧とオルターネータの発生電圧に差がある時で、コントロールパネルのチャージランプが抵抗(3Wなので48Ω)になって、これに因る電圧差で発電するのだそう。ならば、電球を変えれば済む話なのだが、電球を取り替えるためにカバーを外すと、パネルそのものが崩壊しそうなので、今回はハーネスの間に抵抗を入れることにした。

いンスツルメントパネル。左下の穴はフューズ。外すときに劣化したケースが割れてしまった。

カバーを外せば電球も交換できるハズだが…。

さて、これにより発電を確認すると14V位発電している。オルタネータ交換により、充電しない問題は一件落着となった。やれやれ。

 

今回外した部品。レギュラータ〜オルターネータ間のハーネス。レギュレータ(日立製)本体、オルターネータ(日立製)。