ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

木目部メンテナンス(下地処理)コックピット周り

サンドペーパー掛け

まず最初に、一番面積があって時間の掛かるコックピット廻りからニス塗りを開始する事にする。

手順は・・・

① 艤装関係の取り外し(済み)

② 木部を平滑にするためのサンドペーパー掛け

ニス塗りのやり方を調べると、下地処理は#80のペーパーで表面を均し、その後#240番で表面を平滑にする。木目が未だ粗い場合は、ここで目止めを行う。

③ 目止めのあと、下塗りニス塗布。乾燥後2回目の下地ニス塗布。#240のペーパーで均して、仕上げ1回目ニス塗布。乾燥後再度#240もペーパーで均して仕上げ2回目ニスを塗布。

ざっとこの様な手順だが、目止めの後の下地ニス塗りの間、下地ニスと仕上げ1回目、仕上げ2回目との間は十分乾燥させる必要があるので、中一日開けたい。春ということもありお天気が不安定なので、この工程は1時間だけの作業でも一工程取れる様に、今週は集中して時間を確保する事にした。

 

飛び道具、電動サンダー

面積の大きい部分をサンドペーパー掛けするので、電動サンダーを購入した。

以前は通常の電動サンダーを使用していたが、サンダーの面が結構魔詰まりするのが気になっていたので、今回はBoschの「吸じんマルチサンダー」なるものを購入した。

 

f:id:chidorianshujin:20210315222755j:plain

写真の様に摩擦面に孔が開いていて、ここから摩耗粉を吸引する事で目詰まりを防ぐと共に、周辺に摩耗粉が散らばらないと云うふれ込み。

 

f:id:chidorianshujin:20210315223109j:plain

ペーパーにもその為に孔が空いている。写真左側が摩擦面で右がサンダーへの取り付け面。こちらの面はサンダー側とベルクロで固定できる仕組みになっている。

先端がアイロンの様に三角なのは、細かいところまでサンディングできて便利。だから、先端部が早く磨耗するので、この三角のところだけ切り離して120度回転させれば、先端部が3回使えるというアイデア商品。

使ってみた感想

使った感想だが、普通に広い平面をサンディングする分には一般的なサンダーと変わらない感じ。ベルクロ固定なので、ヤスリの両側を挟むタイプの様に両端が切れてくる事もない。

研磨する部位で角部の凸になっている所などは、アイロン型なので研磨部分の見通しが良く作業し易い。そして、アイロンの先端の尖ったところは触れ込み通り、細かな研磨がやり易く、また実際この部分の紙ヤスリの目が早くちびて来るので、剥がして120度回転させて貼り直す事で効率よく作業できるのは、やはりありがたい。

肝心の「吸じん」の機能だが、これはヤスリの目詰まりを防ぐ効果はありそう。その一方、少し期待していた削り粉が周りに飛ばない効果は、ほとんど限定的だ。ダストケースが直ぐに一杯になるからか、結局辺りは削り粉だらけになる事に変わりは無く、サンダーからの排出風が出る風が、作業姿勢によっては顔に当たるので却って不快な事もある。ダストケースの蓋が固く開けにくいので削り粉が捨てにくいのも不便だ。まあ、ヤスリ表面が目詰まりしないのがメリットだと理解すれば、これで良しとしよう。

 

コックピット周りニス塗り工程

・サンドペーパー掛け

f:id:chidorianshujin:20210330231153j:plain

広い面積のところはサンダーが活躍。しかし隅の部分はやはり手で磨かざるを得ない。元々は#80で粗研磨の予定だったが木地の痩せがひどくて手に負えず、#60で粗研磨後#80で表面をならした。

 

f:id:chidorianshujin:20210330231508j:plain

f:id:chidorianshujin:20210330231538j:plain

右舷左舷で異なるが、上が研磨前。茶色の塗料が塗られているが表面はかなり荒れて痩せている。下が研磨後。丸い部分はウインチが付いていたため綺麗。周りはほぼ滑らかになったが、深く痩せたところは木目の筋溝になって残ってしまったが、深追いせずこれで良しとする。

f:id:chidorianshujin:20210330234651j:plain

 

② 目止めとならし研磨

f:id:chidorianshujin:20210330232329j:plain

f:id:chidorianshujin:20210330233120j:plain

目止めにはとの粉を使った。かなり木地の目が粗いので水と1:1で固めに溶いて塗布した。塗った感じは写真のとの粉の写真の背景。生乾きで表面の余分の分を拭き取ればよかったが、そのまま乾かしてから拭いたので、との粉の粉だらけになって往生した。

f:id:chidorianshujin:20210330233156j:plain

との粉を拭き取るとこんな感じ。残っていた深い木目の筋も概ね滑らかになった。

次はいよいよニス塗り。お天気の良いうちに引き続き行ってゆく。