ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

デッキは腐るよどこまでも(その2)シュラウドベース編

 

右舷シュラウドベースの状況

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写真で、シュラウドベース部右下に茶色いものが見えているが、これは応急的に水漏れを止める為に貼られたガムテープ。このテープから写真下方向左右にデッキの腐りが進行していた。

写真でもわかる様に、シュラウド上側に写っているガンネル内側に緑色の苔っぽい物が見える。この辺りはこのシュラウドベースが雨水を堰き止めることで、湿気っぽくなっていた訳だ。

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内側から見ればご覧の通り。デッキだけではなく、チェーンプレートをハルに固定するためのビーム材もデッキ近くは腐っている様子がわかる。

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チェーンプレートを外してみるとこの通り、裏側に湿気が周り腐りが進行していた。

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腐って柔らかくなった部分を除去した状態。

 

木造艇の補修は、基本的に歯医者さんの治療と同じ

虫歯を削る→消毒する(防腐処理する)→詰め物をする(エポキシ樹脂を充填)→被せ物をする(新しい板を貼る)というプロセス。

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デッキ側にエポキシ樹脂充填し、新しい板で補強。

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デッキ側の腐りがかなり広く、広範囲に補強を追加。

 

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腐りを取った後にエポキシ樹脂を充填し、ビームにシュラウド固定用の補強材を追加。

補修前はハルに並行して取り付けてあったチェーンプレートをハルに垂直方向で補強材に固定。こうする事で、チェーンプレート位置を船のセンター寄りに移動することができた。

 

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チェーンプレートのデッキ貫通部は、結露で湿気るのを防ぐ為に木部と直接接しない様に周囲をエポキシ樹脂で固めている。

 

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デッキ側も修理箇所はエポキシ樹脂で固めて完了。以前のシュラウドの場所が上の方に見えている。

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新しいチェーンプレートは、ハルへの取り付け方法を変えた事で、ガンネルとの間に十分スペースを確保し、写真の様にファーラーのロープが通っても水が溜まらない。

また、新しいシュラウドベースは写真の様に、チェーンプレートとプレートの間にクリアランスを開けで、その間にもコーキング材を入れてある。プレートとデッキの間にもコーキング材を隙間なく充填している。

これで右舷側シュラウドの修理は完了。左舷側シュラウドも同じ様に移設することとしたのは、次回。