ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

デッキは腐るよどこまでも(その5)スプラッシュガード編

スプラッシュガードとは

波や風の強い日にヨットに乗ったことのある人ならご存知のとおり、船が波を切った時にはスプレイが結構上がり、それがデッキ沿いに飛んできて、コックピットに居る人にそれが直撃したり、キャビンに入るコンパニオンウエイのハッチが開いていたりすると、キャビン内も濡らしたりするのを防ぐ(なんぼか緩和する)のが、スプラッシュガードの役割です。

本艇の場合、今は骨組みだけになっているが、オーニングという折りたたみ式の風防が設置されていて、その裾を固定する役割も担ったりします。

 

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スプラッシュガード(写真右後方の木目の部分。修復ニス仕上げ後)

 

スプラッシュガードで痛んでいたのは

外面は腐りはないが、やはり日光や潮風で劣化しひび割れなどがあった。一部エポキシ樹脂で固め、ニスで仕上げる。

問題は内側で、基本的には水は逃げるはずで、しかも前オーナーはカバーを掛けていたのでそうそう湿気そうにも無かったのだが、やはり一部腐っていた。そのままにしていてもそう気になるところでも無かったが、ニスで仕上げるにはそのままにして置くにもいかず、手を入れることにした。

 

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付け根の太い部分が腐っている。溝は、オーニングの下端を咥える溝だそうだ。

 

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左舷側も似た様なもので、隙間をウッドパテで埋めようかと思ったが、範囲が大きすぎて断念した。

 

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浮いていた部分を除去したの図。右舷側も同様に痛んだ部分を除去し、入子を入れる。

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大工さんに入子を作ってもらい、エポキシウッドパテで固定。この状態ではまだ入子と原材の間には段差やズレがある。

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ペーパーで段差ズレを修正し、滑らかに仕上げた。

 

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右舷側も同様に入子をウッドパテで固定し、隙間を埋める。

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ペーパー仕上げ後。

あとは、色目を合わせるためにオイルステインを塗布後、インターナショナル・エヴァデュアを塗布し、ニスで仕上げ完了。

さてさて、これで修理完了のはずだったのだが、この後、想定外の大問題が発覚したのであった。