ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

デッキは腐るよどこまでも(最終章)コックピットハッチ編

なぜかビルジが溜まる⁇

丁度スターンデッキの腐りを修理していた時期は梅雨の最中で、合間を見ながらの作業だった。前回までの修理の結果、スターンデッキの水密は完璧のハズだったが、、、なぜか、雨が降った日の翌日にはビルジが溜まる。

 

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写真は左舷側セティバースとキャビンフロアの板を外したところ。(写真下側がセンター)写真の様に、上のストリンガーには水が溜まって光っているが、フロアの板を外したボトムのビルジ溜まりは、上の方は乾いているのが判る。

雨の降った翌日には、なぜかこの写真の様にビルジが溜まっている。前回直したスターンデッキ付近やサイドデッキにホースで水を掛けてみても、水は入ってこない。

更に不思議なのは、ボトムで一番深いビルジ溜まりに水が溜まるのは分かるが、写真の様にキールと並行したストリンガーの上側に水が溜まるのだが、その水がどこから来るのかがわからなかった。

 

コクピットハッチの枠を修理

先に述べた水の経路は分かっていなかったが、コックピットにあるスターンチューブメンテナンス用のハッチが設けられている。これも考えてみると、コックピットに水が大量に入ると船内が水浸しになる危険があるので不思議なものだが、スターンのアンカーローラー同様、初代オーナーのコダワリだったんだろう。

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f:id:chidorianshujin:20220211230630j:plain蓋を取ってみると、周辺がご覧の様に腐っているので、これを修理することにした。

 

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ハッチ両脇の中央付近に金具があるが、右舷側の金具の辺りはかなり痛んでいるので、ここは切り欠いて入子を入れることにする。あとは腐っているところを取り除いて、ウッドエポキシで埋めて補修した。

左舷側は一見痛んでいない様に思えたので、ふちの部分だけ削り取ってウッドエポキシで仕上げるつもりだったが、ドライバーで突いてみると意外とぐっさり刺さり、ええいままよと削って行くと、なんと無くなってしまった。

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腐った木部を削り取ったあと、インターナショナル・エバデュアを塗布したところ、コックピット床に貼ってあるグラスマットとこの枠の間から船内に垂れて溢れてくることが判明。丁度水が溜まっているストリンガー材と同じ位置と一致し、やっと、水が入って来る場所が分かった。

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グラスマットの端部と枠体の接しているところから、グラスマットの裏側にかけて腐っていたので、その部分を取り除き、ウッドエポキシを充填。

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グラスマット面にかけても痛んでいたので、この面にもウッドエポキシで面をコーティングし、この面に新しく製作した枠材を接着する。

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ハッチ両側は痛んでいるところに収まる入子材を製作し、ウッドエポキシをたっぷり塗って接着した。ハッチの左上と右下の角は、ウッドエポキシをそれっぽい感じに盛って整形した。

 

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ウッドエポキシのはみ出たところは#100のペーパーでならし、元の材料とスムースにつないでやる。初めは当初のとおりニスで仕上げようかと思ったが、耐水性も必要だし、そもそも入子の部分やエポキシで色目も変わっているので、ウレタンペイントで仕上げようと思う。

 

さてこの補修の結果、現在のところ雨の降った後でも、ビルジはドライに保たれているので、一見落着だ。

 

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塗装前に、欠肉の大きい部位はウッドエポキシで、小さいところはウッドパテを盛った後、#180のサンドペーパーに当て木をしてサンディングを行い成形する。

塗装前にはペイント薄め液で汚れを取り除く。

 

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2液性ウレタンペイントで塗装。形状が凸凹しているので刷毛で塗装。塗装後30分くらい(外気温は15 ℃くらい?)でほぼ硬化したので2度目を塗装。