ちどり庵主人の木造ヨットライフ

約10年間、ヨットから遠ざかっていた筆者が復帰するににあたり、憧れだった木造艇を手に入れ再開したヨットライフの顛末を綴る。

船検を受ける

 アンカーライトが点かない!

名義変更に伴い、船検を受けました。が、事前の確認で点いていたはずのアンカーライトが点かない事が判明。

検査が朝だったため、太陽の光で幻惑されて確認できなかったのでは?と疑って、検査官の方には再度確認した証拠写真を送れば認めてもらえることになったものの、夕方に再確認したら、点いていない。あれこれ配電盤やら配線を触っても、やはり、点かない。

諦めて、手持ちの航海灯を改造してアンカーライトを製作して、やっと合格に。

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航海灯と配線でオンかーライトを製作。これをハリヤードでマストトップに釣り上げ、電源と繋ぐ。

 

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アンカーライト点灯。ちなみに下の明かりは、対岸の工場の明かりです。

後日テスターで調べたところ、本来のアンカーライトはどうも電球の球切れの様です。いつかマストに上がって電球を変えれば、本来のアンカーライトが使えるはず。

その後、マストトップの電球を交換しても変わらず、キャビン内のアンカーライトの配線接続部コンセントに接点復活剤を吹き付けたら点灯する様になった。結局接触不良だったわけだが、家庭用のコンセントを接点に使用しているのは、取り外しは楽かもしっれないがちょっと配慮が無いと思う。





 

古いながらも上々のコンディション⁈

齢50年レベルのしかも木造艇のコンディションって、どうなのか?

案内されて実艇を見学させてもらう。

パッと見た感じハルはシャキッとしているし、デッキ回りの木部はそれなりにヤレている感じだが、何とかなりそうな感じ。デッキとドッグハウスの一部は腐りが有って、これは要修理とのこと。了解。

心配していた雨漏りは、ビルジもドライで、特に問題なさそう。全オーナーによるとポートサイドの何処からか雨水が沁みてきて困ったと云う事だが、今のところその兆候は見られないので一安心。塩水と違って雨水は木を腐らせるので要注意なので。

 

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床板が剥がしてあるが、この時代の船としては恐ろしくボトムが浅い事がわかる。9.4メートルの全長ながら、なんと排水量は2.5トンしかない!

ビルジが溜まっていないのも写真のとおり。その後雨が続いたあと確認したが、やはり溜まっておらず一安心。

 

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とはいえ、当初から指摘の有った箇所はしっかり腐りがあるので、これらは業者の方に直してもらうことになるので、接着剤が硬化しやすい温度に気温が上がったら修理にかかってもらう予定。

 

憧れの木造ヨットとの生活始まる。

なぜいま木造ヨットなのか?

今ではヨットハーバーや漁港に係留してあるヨットは、九割九分FRP(強化プラスチック)製です。主人がヨットを始めた○十年前は未だFRP艇がやっと増えてきた頃で、若かった頃には、軽量で斬新な最新デザインのIORレーサーとかに憧れたものでした。でも、その一方で優雅な佇まいの木造ヨットにもほのかな憧れの気持ちを抱いていたものです。

その後、寿命はせいぜい30年と言われていたFRP艇が意外に長持ちで、今でも現役でいる一方、木造艇はいつの間にか見かけなくなってゆきました。

凡そ10年のブランクの後、改めてヨットを始めようと思った今、そして年齢を考えるとこれから先、何度も新しい艇に乗り換える事も無かろうと思うと、やはりここで昔憧れた木造ヨットに乗りたい!と思い至ったわけです。

しかし、改めて探してみると、もう木造ヨットは中古艇市場に全くと言ってほど出ておらず(佐野造船の新しく高価なものは別として)、港をあちこち見て回っても、やはり居ない。そう、すこしこの世界から離れているうちに完全に絶滅危惧種になってしまっていたんです。大方の木造艇は薪になってしまったのでしょうか…。涙

そんな時、昔からお世話になっていた元ハーバーマスターのヨットの先輩へ相談したところ、ちょうど引き継いで乗ってくれる人を探している艇があると!このチャンス逃してなるものかと名乗りを上げ、下の写真の艇を幸運にも手に入れる事ができたのでした。

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